じみたの好きなアルバム
リズム楽器がリーダーのもの


A Night at Birdland, Vol. 1
Art Blakey Quintet



1. Annoucement by Pee Wee Marquette
2. Split Kick
3. Once in a While
4. Quicksilver
5. A Night in Tunisia
6. Mayreh
7. Wee-Dot
8. Blues

Art Blakey (ds)
Clifford Brown (tp)
Horace Silver (p)
Lou Donaldson (as)
Curly Russell (b)

1954年2月21日 録音

 これはジャズ・メッセンジャーズという名前ではありませんが、実質はジャズ・メッセンジャーズですね。アート・ブレイキーの生涯続いたバンドの始まりです。しかもまだピアノのホレス・シルバーと喧嘩別れする前です。

 この日のこの演奏でハード・バップが誕生したと言われていますが、どうなんでしょうね?いずれにしても演奏はハード・バップです。ハード・バップの代表作といっても良いと思います。曲もそれらしいものばかりです。

 メンバーも素晴らしいです。クリフォードも良いですが、ルーさんは本当に良いプレイをしますね。



The Complete Capitol Recordings, Vol. 2
Art Tatum



1. My Heart Stood Still
2. You Took Advantage of Me
3. I Gotta Right to Sing the Blues
4. How High the Moon
5. Makin' Whoopee
6. Goin' Home
7. Blue Skies
8. It's the Talk of the Town
9. Dancing in the Dark
10. Tenderly
11. Just One of Those Things
12. Indiana
13. Lover
14. Would You Like to Take a Walk?

Art Tatum (p)
Slam Stewart (b)
Everett Barksdale (g)

1949年~1952年 録音

 クラシックやジャズなど全ての音楽史上でアート・テイタムを超えるピアニストはいないでしょう。クラシック界の巨匠ピアニスト、ホロビッツでさえ「アート・テイタムは凄い!」とライブを観に行ったそうです。

 テイタムはどのアルバムも素晴らしいです。ハズレはないでしょう。どちらかというとソロピアノの演奏が多いです。私も管やリズム隊が入っているものよりソロピアノのほうが好きです。というか、これだけ弾ければ他の楽器は必要ありません。ですが、テイタムは他の人と演奏するのが好きだったようです。

 これはタイトルどおりCapitolのコンプリート盤でしょうね。2枚出ています。最後の4曲がベースとギター入りで、その他はソロピアノです。まあ凄いといったらありません。この人はどうなっているのでしょうか。ピーターソンも言っていますが、手が4つぐらいないと出来ません。

 ベースのスラム・スチュアートの口ずさみとアルコのユニゾンも聴けます。



Something More
Buster Williams



1. Air Dancing
2. Christina
3. Fortune Dance
4. Something More
5. Deception
6. Sophisticated Lady
7. I Didn't Know What Time It Was

Buster Williams (b)
Shunzo Ohno (tp)
Wayne Shorter (ss, ts)
Herbie Hancock (p, key)
Al Foster (ds)

1989年5月8日~9日 録音

 ベースのバスター・ウィリアムスのリーダーアルバムです。ベーシストがリーダーで有名なアルバムは他の楽器に比べてそう多くはないと思いますが、これは結構有名ではないでしょうか。

 なぜこのアルバムかというと、2曲目ですが「クリスティーナ」のオリジナルが入っているからです。これはよく出来た曲だと思います。見た目のバスターとは思えないぐらい……失礼(^^;)……美しいバラードです。でも演奏するにはちょっと難しい曲なんですよね。ちなみにキーはGbです。



Light as a Feather
Chick Corea



1. You're Everything
2. Light as a Feather
3. Captain Marvel
4. 500 Miles High
5. Children's Song
6. Spain


Chick Corea (ep)
Joe Farrell (ts, ss, fl)
Stanley Clarke (b)
Airto Moreira (ds per)
Flora Purim (vo, per)

1972年10月8日, 15日 録音

 スペインです。ジャズではスタンダードナンバーですが、そのオリジナルがこれですね。

 チック・コリアといえば「リターン・トゥ・フォーエバー」ですが、その第一弾はその名の「Return To Forever」です。「La Fiesta」が有名ですね。これはそれと同じ時期の録音でメンバーも同じです。

 このアルバムは何度聴いても新鮮です。チックは生ピアノではなく全曲フェンダーローズを弾いています。実に爽やかなサウンドです。まだ若手のスタンリー・クラークはウッドベースを弾いていますが、そんなに全部音で埋め尽くさなくても……いや、ここではその「弾きすぎスタイル」もなぜだか合っています。

 スペインだけでなく、このアルバムはどの曲も素晴らしいと思います。しかし私はタイトル曲はそれほど好きではありません。なぜこの曲がタイトルになったんでしょうね?「スペイン」でいいのに。「Children's Song」はテーマだけの短い曲です。この録音後、チックはこの曲名にナンバーを付けて沢山作曲して色々なアルバムに散りばめています。私はこの意図がよくわかりません。全部買えって事か?(^^)

 いや~、チックはコンディミスケールの使い方が実に上手いです。よくそこまで歌えるものです。しかしスペインってのは難しい曲です。ジョー・ファレルも少々戸惑っています。まあそういう悩みながら演奏するのも良いのです。名盤です。



The Mad Hatter
Chick Corea



1. The Woods
2. Tweedle Dee
3. The Trial
4. Humpty Dumpty
5. Prelude to Falling Alice
6. Falling Alice
7. Tweedle Dum
8. Dear Alice
9. The Mad Hatter Rhapsody

Chick Corea (syn, p, ep)
Joe Farrell (fl, piccolo, ts)
Eddie Gomez (b)
Steve Gadd (ds)
Herbie Hancock (key, ep)
他 (horns, strings)

1978年 録音

 私は学生時代、一時期チック・コリアにハマった事がありました。理由はあの有名なスペインです。よくあそこまでコンディミスケールを使いこなせるなあと感心しました。チックのアルバム「Light as a Feather」中のソロは全部コピーしたかもしれません。そのくらいハマりました。

 これはチックのバンド「Return To Forever」の中に入るものです。「Humpty Dumpty」が入っていますので一応有名かもしれません。でもジャズというか何というか変わったアルバムです。いかにもチックらしいです。スペインっぽいですし。全曲通して聴くと1つの物語のような感じです。

 この中で一番オススメは最後の「The Mad Hatter Rhapsody」です。アップテンポのラテン調の曲です。この曲ではチックのお友達のハービー・ハンコックが参加しているのですが、なんと、アルバムのリーダーであるチックよりも良いソロを取ってしまった……という評価があり、私もそう思います。チックはシンセ、ハービーはフェンダーローズでソロを取っていますが、このハービーのソロが実に素晴らしいです。ハービーは独特のアクセントの入れ方があってそれが個性の1つですが、ハービーがローズで語ってるように聴こえます。

 ハービー様、お友達のリーダー作でそんなカッコ良いソロを取っちゃんイカンです……(^^)



African Piano
Dollar Brand



1. Bra Joe from Kilimanjaro
2. Selby That the Eternal Spirit Is the Only
3. The Moon
4. Xaba
5. Sunset in Blue
6. Kippi
7. Jabulani
8. Tintiyana


Dollar Brand (p)

1969年10月22日 録音

 ダラー・ブランドは南アフリカ共和国出身で唯一世界的に有名になったジャズミュージシャンです。あまり詳しい事は知りませんが、おそらくこの1枚で有名になったのではないでしょうか。この時の名前はダラー・ブランドですが、イスラム教へ改宗した後は、南アでの名前アブドゥーラ・イブラヒム(Abdullah Ibrahim)で活動を始めました。

 これは全曲ソロピアノで、広大なアフリカ大陸を表現したアルバムです。ピアノというのは表現力が広い楽器です。私はアフリカへ行った事はありませんが、そういうニオイがします。



"Fats" Waller
Fats Waller



1. It's a Sin to Tell a Lie
2. Your Feet's Too Big
3. I'm Crazy 'Bout My Baby
4. Draggin' My Heart Around
5. Music, Maestro, Please!
6. The Flat Foot Floogie
7. You're Not the Only Oyster in the Stew
8. 'Tain't Nobody's Bizness If I Do
9. Viper's Drag
10. My Very Good Friend, the Milkman
11. I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself
12. Truckin'
13. I'm on a See-Saw
14. Handful of Keys
15. The Joint Is Jumpin'
16. I Wish I Were Twins
17. The Minor Drag
18. Sweet Sue
19. Black Raspberry Jam
20. A Tisket a Tasket
21. Dinah
22. Clothes Line Ballet
23. Nagasaki
24. Ain't Misbehavin'

Fats Waller (p, vo)


?年 録音

 ジャケットの顔……こういう人だったんでしょうね。他にもこのような感じの顔のジャケットが多いです。ジャズ界最大のエンターテイナーだったようです。

 ファッツ・ウォーラーの演奏はハッピーです。まだバップが生まれる前の時代で、ジャズが楽しい音楽だというのが良くわかります。

 ピアノも歌も最高です。1曲目の「It's a Sin to Tell a Lie」から最高です。1人でピアノも歌もやっていますが、これだけ1人で出来れば楽しいでしょうね。

 このアルバムはベスト盤でしょうかね。録音もいつだかわかりません。1943年に亡くなったので、1930年代か1940年代の亡くなる前までの録音です。古い録音ですが内容はとても良いです。ピアノもヴォーカルも十分楽しめます。



At Last
Gene Harris with Scott Hamilton



1. You Are My Sunshine
2. lt Never Entered My Mind
3. After You've Gone
4. The Lamp Is Low
5. At Last
6. Blues for Gene
7. I Fall in Love Too Easily
8. Some of These Days
9. Stairway to the Stars
10. Sittin' in the Sandtrap

Gene Harris (p)
Scott Hamilton (ts)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)
Harold Jones (ds)

1990年5月 録音

 ピアノのジーン・ハリスで好きなアルバムです。ジーン・ハリス、私は大好きです。このアルバムでは若手のテナー奏者のスコット・ハミルトンも素晴らしいです。「おっさんテナー」なところが良いです(^^)

 1曲目の「You Are My Sunshine」のイントロでジーン・ハリスが1コーラス、ピアノソロを弾きますが、かなりブルースピアノっぽく、そこがいかにもジーン・ハリスらしいです。とても気持ち良いです。



Blue Benson
George Benson



1. Billie's Bounce
2. Low Down and Dirty
3. That Lucky Old Sun
4. Thunder Walk
5. Doobie Doobie Blues
6. What's New?
7. I Remember Wes

George Benson (g, vo)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Billy Cobham (ds)
Bob Cranshaw (b)
Clark Terry (tp)


1967年 録音

 これはおそらくCD化されていないと思いますが、全曲「Silver Collection」というアルバムに収められました。

 ジョージ・ベンソンが「ブリージン」を出す前の録音ですね。まだ純粋にジャズギターリストだった頃です。

 このアルバムはジャズ屋として聴く曲は1曲目の「Billie's Bounce」です。ベンソンもハービー・ハンコックも素晴らしいです。このハービーのソロは私はとても参考になりました。ドラムはビリー・コブハムですが、なぜかそう思えないくらい大人しい。これがまた良い感じを出しています。

 素晴らしい演奏なのですが、意外です。なぜこういう演奏になったんでしょうかね?



I Want to Hold Your Hand
Grant Green



1. I Want to Hold Your Hand
2. Speak Low
3. Stella By Starlight
4. Corcovado (Quiet Nights)
5. This Could Be the Start of Something
6. At Long Last Love

Grant Green (g)
Hank Mobley (ts)
Larry Young (org)
Elvin Jones (ds)

1965年3月31日 録音

 タイトルはビートルズの曲ですが、アレンジされてしっかりジャズになっています。私はビートルズを聴いていた時期はありませんが、多少は知っていて、この曲も原曲は知っていましたが、良く聴くと「ああ、あの曲か」とわかるぐらい原曲とはエラく違います。よくこんな面白いアレンジを考えたものです。グラント・グリーンもこのアルバムで多少は有名になれたのでしょうか?テナーがモブレーというのも良いです。

 2曲目以降は普通にジャズしています。スタンダードばかりですね。スピーク・ロウはかなりアップテンポです。

 レーベルはブルーノートですが、まさにブルーノートの雰囲気のサウンドです。オルガンのラリー・ヤングが参加しているのもブルーノートらしいです。



Speak Like a Child
Herbie Hancock



1. Riot
2. Speak Like a Child
3. First Trip
4. Toys
5. Goodbye to Childhood
6. The Sorcerer

Herbie Hancock (p)
Thad Jones (flh)
Jerry Dodgion (alto-fl)
Peter Phillips (b-tb)
Ron Carter (b)
Mickey Roker (ds)

1968年5月9日 録音

 ハービーのブルーノート時代の代表作です……というと違う意見のほうが多いですかね。そう、代表作は「処女航海」です。いや、初リーダー作の「テイキン・オフ」かな。ああ、どれもハービーは良いですね。

 これ、少々難しい曲ばかりですが、内容は素晴らしいと思います。私は好きです。最後の「ソーサラー」はマイルス・デイビスのリーダーでも出ていますが、こちらはハービーのトリオ演奏です。まあこの時代によくこんな難しい曲をトリオでやりますね。



V.S.O.P. The Quintet
Herbie Hancock



1. One of a Kind
2. Third Plane
3. Jessica
4. Lawra
5. Introduction of Players / Darts
6. Dolores
7. Little Waltz
8. Byrdlike

Herbie Hancock (p)
Freddie Hubbard (tp)
Wayne Shorter (ts, ss)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)

1977年7月16日~18日 録音

 ハービーのVSOPの中の1枚です。ハービーはこのコンサートの少し前に自分のやってきた回想のような大々的なコンサートを行っていて、それがVSOPの第一弾で、アルバムでも出ています。3部構成で、1部はマイルス・デイビス時代とほぼ同じグループ、2部はハービーの暗黒時代と言われているグループ、3部がヘッドハンターズのグループでした。そしてこの中で1部があまりに評判が良く、そのグループで少しの間活動したのですが、それがVSOPです。メンバーもそれぞれがリーダーをやっている大物ばかりです。

 VSOPのアルバムは何枚か出ていますが、私はこれが一番好きです。

 曲は、このメンバーですから、いわゆるスタンダードナンバーはありません。唯一最後のハバードのオリジナル「バードライク」がブルース、程度です。

 1曲目の「One of a Kind」はハバードのオリジナルです。同じくハバードのオリジナルで「One of Another Kind」という曲がありますが、それとは違う曲です。「Another」のほうが有名だと思います。これも演奏するのは難しいですが、「a」のほうはさらに難しいです。

 2曲目はロン・カーターのオリジナルで、同名のタイトルのアルバムも出ています。メンバーはハービーとトニー……ホント仲良しですね。

 6曲目のドロレスはマイルスの「マイルス・スマイルス」に入っている曲ですが、私はこちらの演奏のほうが好きです。

 最後、やっとブルースが聴けますが、大変テンポが速いです。ショーターはちゃんと吹けていませんが……これで良いのです。しかしトニーの凄い事!言葉がありません。



Trio Live In New York
Herbie Hancock



1.I Love You
2.One Finger Snap
3.Cantaloupe Island
4.Maiden Voyage
5.Just One of These Things

Harbie Hancock (p)
Jeff Littleton (b)
Gene Jackson (dr)

1993年 録音

 ハービーは活動範囲が広すぎて困ります。しかしどのアルバムも「クロい」……基本は黒人音楽というのが良いのです。

 これはライブ盤です。ハービーのトリオといえばロン・カーターとトニー・ウィリアムスのものがありますが、この3人だと3人とも暴れてしまって訳わからん……事はありませんが(^^)。このアルバムはベーシストもドラマーも若手で、ハービーは暴れ放題です。1曲目の「I Love You」はアレンジがされていて、転調しまくって、コーラスの最後は何小節か付け足されていて、1回聴いただけではどこをやっているのかわからないぐらいです。ソロはさすがハービー、殺人的なソロです。どこまでも盛り上げます。

 2曲目以降も全部激しいです。やっぱりハービーはカッチョいいですよ。



Blowin' the Blues Away
Horace Silver



1. Blowin' the Blues Away
2. The St. Vitus Dance
3. Break City
4. Peace
5. Sister Sadie
6. The Baghdad Blues
7. Melancholy Mood
8. How Did It Happen


Horace Silver (p)
Blue Mitchell (tp)
Junior Cook (ts)
Billy Mitchell (ts)
Gene Taylor (b)
Louis Hayes (ds)

1959年8月10日 録音

 ファンキーです。ファンキージャズ。ファンキーといえばホレス・シルバーです。

 これは名盤でしょうね。1曲目からドファンキーです。もう何も言う事はありません。美しいバラード「ピース」やファンキージャズの極めつけ「Sister Sadie」など、聴いていて楽しい曲ばかりです。ファンキー・ファンキー・ファンキーです。

 このアルバムに限らず、この頃のブルーノートから出ているホレス・シルバーがリーダーのアルバムはファンキーなものばかりです。



Goodnight, It's Time to Go
Jack McDuff



1. Sanctified Waltz
2. Goodnight, It's Time to Go
3. I'll Be Seeing You
4. A Smooth One
5. McDuff Speaking

Jack McDuff (org)
Harold Vick (ts)
Grant Green (g)
Joe Dukes (ds)

1961年7月14日 録音

 オルガンの「ブラザー・ジャック・マクダフ」です。ジャック・マクダフはジミー・スミス以上に黒いかもしれません。ジミー・スミス以外にブルージーなオルガンを聴いてみたい人はジャック・マクダフをオススメします。

 とにかくブルージーです。クロいです。良いです。これぞオルガン・ジャズ・ブルースという感じです。



The Dynamic Duo
Jimmy Smith & Wes Montgomery



1. Down by the Riverside
2. Night Train
3. James and Wes
4. 13 (Death March)
5. Baby, It's Cold Outside
6. O.G.D.

Jimmy Smith (org)
Wes Montgomery (g)
Oliver Nelson (arr)
Richard Davis (b)
Grady Tate (ds)


1966年9月21日, 28日 録音

 ジミー・スミスは数多くのリーダー作がありますが、これは名盤です。ウェスの名盤でもあります。

 ジミー・スミスとウェス・モンゴメリーが、オリバー・ネルソンのアレンジによるビッグバンドをバックに演奏したものです。オリバー・ネルソンのダイナミックなアレンジが素晴らしいです。

 1曲目の「Down by the Riverside」は有名なアメリカ民謡ですが、原曲とはかなり違ったアレンジがされています。ソロはなぜかブルースになっています。

 このアルバムでは2曲目の「Night Train」が一番有名でしょう。2人とも素晴らしいソロを取っています。



Off the Top
Jimmy Smith



1. Off the Top
2. Endless Love
3. Mimosa
4. I'll Drink to That
5. Theme from M.A.S.H.
6. Ain't Misbehavin'
7. Jimmy Smith Rap

Jimmy Smith (org)
Stanley Turrentine (ts)
George Benson (g)
Ron Carter (b)
Grady Tate (ds)
Crusher Bennett (per)
Errol Bennett (per)

1982年6月7日 録音

 このアルバムはそれほど有名ではないと思います。でも演奏は良いです。

 まあ良くもこんなにクロい人たちを集めたものです。しかも大物ミュージシャンばかりです。真っ黒です。黒人ジャズが好きな人にはたまりません。

 1曲目はジミー・スミスのオリジナルで楽しい曲です。2曲目はライオネル・リッチーの有名なバラードです。タレンタインはこういうバラードも上手く吹きますね。4曲目はジミー・スミスのオリジナルのブルースですが、なぜか曲が始まる前のベンソンがリラックスしている部分も入っています。レコーディングというより楽しいスタジオセッションという感じがします。7曲目の「Ain't Misbehavin'」は古いスタンダードナンバーですが、ジミー・スミスは古臭い良い感じを出しています。7曲目は曲ではなく語りです。



Somewhere Before
Keith Jarrett



1. My Back Pages
2. Pretty Ballad
3. Moving Soon
4. Somewhere Before
5. New Rag
6. A Moment for Tears
7. Pout's Over
8. Dedicated to You
9. Old Rag

Keith Jarrett (p)
Charlie Haden (b)
Paul Motian (ds)

1968年10月30日~31日 録音

 これはキースの初期の傑作ではないでしょうか。

 曲は色々入っていますが、何といっても1曲目のボブ・デュランの「マイ・バック・ページ」が良いです。多分これが一番有名でしょうね。オリジナルの演奏とはかなり違うようですが。でもそんな事は良いです。これがキースのオリジナル曲だったとしても良いです。

 ここからキースの歴史が始まるわけですね。しかしこのキースの顔、若い!



Facing You
Keith Jarrett



1. In Front
2. Ritooria
3. Lalene
4. My Lady; My Child
5. Landscape for Future Earth
6. Starbright
7. Vapallia
8. Semblence

Keith Jarrett (p)

1971年11月10日 録音

 キースのソロピアノです。キースはソロピアノのアルバムが沢山ありますが、私はこれが一番好きです。曲も他のライブ盤のような即興で作られた曲ではありません。

 キースらしい演奏です。キースは曲によって白人と思えないような泥臭い事もやりますが、そういうところも好きです。



Standards in Norway
Keith Jarrett



1. All of You
2. Little Girl Blue
3. Just in Time
4. Old Folks
5. Love Is Many Splendored Thing
6. Dedicated to You
7. I Hear a Rhapsody
8. How About You?

Keith Jarrett (p)
Gary Peacock (b)
Jack DeJohnette (ds)

1989年10月7日 録音

 キースのスタンダーズトリオの中の1枚です。スタンダーズはどれも良いと思いますが、1枚としてこれにしました。ライブ盤です。

 どの曲もスタンダーズらしい演奏ですが、一番圧倒なのは「Just In Time」でしょう。特にエンディング部分が素晴らしいです。



Dark Beauty
Kenny Drew



1. Run Away
2. Dark Beauty
3. Summer Night
4. All Blues
5. A Felicidade
6. It Could Happen to You
7. Love Letters
8. Silk Bossa
9. Blues Inn
10. In Your Own Sweet Way
11. A Stranger in Paradise

Kenny Drew (p)
Niels Pedersen (b)
Albert "Tootie" Heath (ds)

1974年 録音

 ケニー・ドリューで1枚ならこれです。これだという人も多いかと思います。

 ケニー・ドリューはこれより後、ベースのニールス・ペデルセンとドラムのエド・シグペンとのトリオで活動しますが、なぜかこのトリオは女性に人気があります。オシャレなジャズなのでしょうか?内容は黒人のドリューです。でも確かにオシャレに出来上がっています。

 オシャレなジャズも悪くはないですが、ドリューはドリューらしくいきたいところです。という事でこの「ダーク・ビューティ」は良いと思います。かなり激しい演奏をしています。



The Real McCoy
McCoy Tyner



1. Passion Dance
2. Contemplation
3. Four by Five
4. Search for Peace
5. Blues on the Corner

McCoy Tyner (p)
Joe Henderson (ts)
Ron Carter (b)
Elvin Jones (ds)

1967年4月21日 録音

 これは名盤でしょうね。マッコイのアルバムの中では一番有名ではないでしょうか。私も良いと思います。曲は全曲マッコイのオリジナルです。

 マッコイとドラムのエルビンは2人とも同じ頃にジョン・コルトレーンのグループを抜けましたが、その直後に一緒に録音をするとは。やはりフリージャズではなく、このような演奏をやりたかったのでしょう。バリバリのモードジャズです。



Trident
McCoy Tyner



1. Celestial Chant
2. Once I Loved
3. Elvin (Sir) Jones
4. Land of the Lonely
5. Impressions
6. Ruby, My Dear

McCoy Tyner(p)
Ron Carter(b)
Elvin Jones(ds)

1975年2月18日~19日 録音

 私は学生時代、かなりのマッコイ・フリークでした。大学1年の時にジョン・コルトレーンのフリージャズを聴き込んでしまい、マッコイが何を表現したいのかが理解出来るようになりました。

 マッコイの評価ですが、「コルトレーン時代やブルーノート時代は好きだけど、それ以降は……」という人も多いです。でも私はその「以降」も好きなアルバムが多いです。インパルスの「ブルースとバラードの夜」やブルーノートの「The Real McCoy」は名盤ですね。私も好きです。その後マッコイはマイルストーン・レーベルへ移籍しますが、その第一弾は「Sahara」で、タイトル曲は雄大なスケールの曲です。

 マイルストーン時代で何を載せようか迷いましたが。まず「Trident」にしました。マッコイはピアノだけではなくチェレスタやハープシコードも演奏しています。バックのミュージシャンも素晴らしい。ロン・カーターが少々遊び過ぎな感じもしないではないですが。管がいない分、よりマッコイらしいアルバムだと思います。2曲目の「Once I Loved」なんて「何でそんな演奏になるの?」と思うぐらいまるで違う曲です。個人的には4曲目の「Land of the Lonely」が好きです。ミドルテンポの3拍子のモードの曲ですが、タイトルどおりの感じがします。



Fly with the Wind
McCoy Tyner



1. Fly With the Wind
2. Salvadore de Samba
3. Beyond the Sun
4. You Stepped Out of a Dream
5. Rolem

McCoy Tyner (p)
Hubert Laws (fl)
Ron Carter (b)
Billy Cobham (ds)
他 (strings)

1976年1月19日 録音

 これもマイルストーン時代のアルバムです。ストリングスが入っていて、マッコイのアルバムの中でも壮大なスケールのアルバムです。ジャズアルバムで「ウィズ・ストリングス」というとバラード系が多いですが、これは全く違って、激しいマッコイをさらに激しくしています。

 圧倒なのはタイトル曲です。マッコイのソロもストリングスに触発されたのか?いつもに増して激しいです。またドラムのビリー・コブハムが激しさをさらに増しています。いったいいくつのタムを使っているのか?次から次へとタムを叩きまくり、果てしなく盛り上げます。タイトルどおり、すべてが吹き飛んでしまうアルバムです(^^)



Mel Lewis and Friends
Mel Lewis



1.Ain't Nothin' Nu
2.A Child Is Born
3.Sho' Nuff Did
4.Moose the Mooche
5.De Samba
6.Windflower

Mel Lewis (ds)
Freddie Hubbard (tp)
Cecil Bridgewater (tp)
Gregory Herbert (as, ts)
Michael Brecker (ts)
Hank Jones (p)
Ron Carter (b)

1976年6月18日 録音

 メル・ルイスといえばサドメル楽団、サド・ジョーンズ&メル・ルイス楽団が有名ですね。ですので、このアルバムはメンバーを考えても珍しいのではないでしょうか。本当にフレンドなのかどうかはわかりませんが……。若手のマイケル・ブレッカーが参加しているのも魅力です。

 内容は素晴らしく、上手くまとまっています。スタンダードからモードっぽい曲まで選曲も良いです。

 1曲目はサド・ジョーンズのオリジナルで、少しモードがかったような曲です。ブレッカーはコルトレーン・スタイル、ハンク・ジョーンズはオーソドックス、ハバードが中間、といったような対照的なところが良いです。

 4曲目はジャムセッションでも演奏されるチャーリー・パーカーの曲ですが、テーマのAABAのAの部分は16ビートで演奏されています。原曲が良いのか、こういうリズムでも合っています。



The Trio [Verve]
Oscar Peterson



1. I've Never Been in Love Before
2. In the Wee Small Hours of the Morning
3. Chicago
4. The Night We Called It a Day
5. Sometimes I'm Happy
6. Whisper Not
7. Billy Boy

Oscar Peterson (p)
Ray Brown (b)
Ed Thigpen (ds)

1961年9月~10月 録音

 オスカー・ピーターソンのザ・トリオ。名盤です。何を見ても名盤になっています。ピーターソンで1枚なら間違いなくこれです。

 最高です。最高というしかありません。これ以上の言葉はありません。



My Favorite Instrument
Oscar Peterson



1. Someone to Watch over Me
2. Perdido
3. Body and Soul
4. Who Can I Turn To
5. Bye, Bye Blackbird
6. I Should Care
7. Lulu's Back in Town
8. Little Girl Blue
9. Take the "A" Train

Oscar Peterson (p)

1968年4月 録音

 ピーターソンのリーダー作は本当に枚数が多いです。しかしなぜだかピアノソロはないのです。あまり好きではないのでしょうか?私が知る限り、ピーターソンのソロアルバムはこの1枚だけです。

 1曲目は有名なバラードのスタンダードナンバーですが、とにかく凄いです。これぞピーターソンのソロ、という感じです。まあこれだけ弾ければ楽しいでしょうね。

 2曲目はインストでよく演奏されるスタンダードナンバーです。昔のピアニストであれば即「ストライドピアノ」でしょうが、ピーターソンは少々違います。この感じが良いです。当然ピーターソンはストライドは弾けますが、敢えてやらない。

 そう、このアルバムはストライドピアノのアルバムではないところが良いです。



Oscar Peterson Big 6 at Montreux
Oscar Peterson



1. Au Privave
2. Here's That Rainy Day
3. Poor Butterfly
4. Reunion Blues

Oscar Peterson (p)
Toots Thielemans (harm)
Milt Jackson (vib)
Joe Pass (g)
Niels Pedersen (b)
Louie Bellson (ds)

1975年 録音

 ピーターソンがリーダーの、モントルー・ジャズ・フェスティバルでのジャムセッションです。

 おそらく本当にセッションで、若干演奏が雑です。1曲目はチャーリー・パーカーの有名なブルースですが、ビブラフォンの巨匠ミルト・ジャクソンともあろう人がテーマを間違えまくっています。これで良いのでしょうか?……いけません(^^)

 このアルバムは何が凄いかというと、ピーターソンよりもハーモニカのトゥーツ・シールマンです。1曲目のブルースのソロ、こんなのハーモニカで出来るソロではありません。いったいどうなっているのでしょうか?私はトゥーツ・シールマンの演奏をそれほど多く知っているわけではありませんが、このブルースのソロが一番恐ろしいです。

 2曲目は有名なスタンダードナンバーですが、スイングで演奏されています。これはこれでなかなか良い感じです。



Oscar Peterson And The Basists
Oscar Peterson



1. There Is No Greater Love
2. You Look Good to Me
3. People
4. Reunion Blues
5. Teach Me Tonight
6. Sweet Georgia Brown
7. Soft Winds

Oscar Peterson (p)
Ray Brown (b)
Niels Pedersen (b)

1977年7月15日 録音

 ピーターソンのモントルー・ジャズフェスでのライブです。

 いや~、このアルバムでベーシスト2人の違いがよくわかります。1人は巨匠中の巨匠、レイ・ブラウン、もう1人は若手のテクニック派、ニールス・ペデルセンです。

 ピーターソンの古くバーブ時代のベーシストは長い間レイ・ブラウンでした。そのためピーターソンで名盤と言われているアルバムのベーシストはほぼ全てレイ・ブラウンです。バーブを離れてしばらく経ってからニールス・ペデルセンと活動しました。

 で、問題発言ですが(^^)、私はニールス・ペデルセンがあまり好きではありません。これが前置きです。

 1曲目。有名なスタンダードナンバーで、ベースの先発はペデルセンです。ここでまず、音質がどう聴いてもエレベーのような音なのです。もちろん弾いているのはウッドベースですが。これが好きでない理由の1つです。

 次はソロの内容です。ピーターソンのソロが終わってペデルセンのソロになりますが、テクニックの目白押しです。凄いのはわかるのですが、間がないのです。1つも間がない。これが好きでないもう1つの理由です。私的にですが、ペデルセンは歌っているとは思えないのです。

 ペデルセンのソロが終わると、再度ピーターソンのソロになり、ここでベースがレイ・ブラウンに交代します。やっているのはウォーキングですが……そう!これこれ!ああ、これぞベースですよ、ベース。ベースはこうでなければいけないのです。なぜこうも違うんでしょうか?もう1発目の音から全然違います。音、グルーブ感、重厚感、すべて最高です。しっかりと曲を支えています。

 これがベースです。やはりレイ・ブラウンは巨匠です。



Black Orpheus
Ray Brown



1. The Days of Wine and Roses
2. I Thought About You
3. Black Orpheus
4. How Insensitive
5. My Foolish Heart
6. Please Send Me Someone to Love
7. Ain't Misbehavin'
8. When You Wish upon a Star
9. Things Ain't What They Used to Be

Ray Brown (b)
Gene Harris (p)
Jeff Hamilton (ds)

1975年2月18日~19日 録音

 ピアノのジーン・ハリスで私が好きなアルバムです。リーダーはレイ・ブラウンです。

 ジーン・ハリスは古くブルーノート時代に売れましたが、ジャズ界が衰退した頃に田舎へ引っ込んでしまったようです。ところがある時にレイ・ブラウンが「あんたは田舎で弾いているようなピアニストではない」と、再びメインシーンに引っ張り出したようです。そのおかげで亡くなるまでメインシーンで活動しました。

 このトリオは本当に素晴らしいです。演奏スタイルはオーソドックスで、曲もスタンダードばかりです。巨匠レイ・ブラウンも良いですが、若手の白人ドラマーのジェフ・ハミルトンもこういうスタイルの人たちにとても合っています。オスカー・ピーターソンとも一緒に演奏していました。

 ジーン・ハリスはブルーノート時代のスリーサウンズが有名ですが、私はどちらかというと晩年のほうが好きです。

 この中でも一番好きなのは1曲目の「酒バラ」です。アレンジがされていて途中転調もしますが、まさにこれぞジーン・ハリスです。



1 + 3
Ron Carter



1. Muffin
2. Mr. T.W
3. Doom
4. New Song, No. 3

Ron Carter (b)
Hank Jones (p, 1-2)
Herbie Hancock (p, 3-4)
Tony Williams (ds)

1978年7月29日 録音

 ロン・カーターのアルバムです。演奏では遊び人のロン・カーターですから、少々弾き過ぎ感はありますが。

 このアルバムが好きな理由は、ハンク・ジョーンズもハービー・ハンコックも良いと思うからです。しかもこの1枚で2人とも聴けるので、違いもよくわかります。前半2曲がハンク・ジョーンズ、後半2曲がハービー、ドラムは全曲トニーです。

  ハンク・ジョーンズのほうのトリオはグレイト・ジャズ・トリオの一番最初のメンバーです。ハービーのほうのトリオは、有名なマイルス・デイビス・クインテットのバックメンバーですね。

 という事で演奏は悪いはずがありません。ハンク・ジョーンズはオーソドックス指向、ハービーはアウト指向といっても良いです。どちらの演奏も素晴らしいです。



Emergency
Tony Williams



1. Emergency
2. Beyond Games
3. Where
4. Vashkar
5. Via the Spectrum Road
6. Spectrum
7. Sangria for Three
8. Something Special

Tony Williams (ds)
John McLaughlin (g)
Larry Young (org)

1969年5月26日~28日 録音

 激しいです!これは。トニー・ウィリアムス、叩きまくっています。またメンバーがジョン・マクラフリンにラリー・ヤング。マクラフリンも弾きまくっています。ラリー・ヤング、オルガンでモードしまくっています。

 いやー、これは激しいです。1曲目からみんな飛ばしています。全曲聴くのには相当体力が必要です。というか1曲目だけで十分かと……

 でも素晴らしいですよ。どんな人でも聴き応えは十分あります。



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