じみたの好きなアルバム
その他


This Time by Basie
Count Basie



1. This Could Be the Start of Something Big
2. I Left My Heart in San Francisco
3. One Mint Julep
4. The Swingin' Shepherd Blues
5. I Can't Stop Loving You
6. Moon River
7. Fly Me to the Moon
8. What Kind of Fool Am I?
9. Walk, Don't Run
10. Nice 'N' Easy
11. Theme From the Apartment
12. The Hucklebuck
13. Oh, Pretty Woman
14. Oh Soul Mio
15. Shangri-La
16. At Long Last Love

Count Basie (p)
Quincy Jones (arr)
Thad Jones (tp)
Eddie "Lockjaw" Davis (ts)
Frank Foster (ts, cl)
Frank Wess (ts)
Freddie Green (g)
Louie Bellson (ds)
Sonny Payne (ds)


1963年1月21日~24日 録音

 ジャズのビッグバンドも色々ありますが……私の場合はまずカウント・ベイシーですね。ベイシー楽団は最高ですよ。

 このアルバムはサブタイトルが「Hits of the 50's」となっているので、1950年代のベイシー楽団のヒット集でしょうね。内容は正にその時代のベイシーサウンドです。

 で、この時代の何が良いかというと、クインシー・ジョーンズがアレンジャーなのです。クインシーはベイシー楽団の出身です。実にダイナミックで素晴らしいアレンジをします。

 この時代ですからメンバーの中にも有名なミュージシャンがいますが、もちろんギターのフレディ・グリーンもいます。ベイシー楽団はやはりこの人がいないとベイシーサウンドになりません。

 1曲目のスタンダード「This Could Be the Start of Something Big」ですが、私はこの演奏が一番好きです。5曲目の「I Can't Stop Loving You」はレイ・チャールズで有名ですが、ベイシー楽団のほうはとても迫力ある演奏となっています。



On the Road
Count Basie



1. Wind Machine
2. Blues for Stephanie
3. John the III
4. There Will Never Be Another You
5. Bootie's Blues
6. Splanky
7. Basie
8. Watch What Happens
9. Work Song
10. In a Mellow Tone

Count Basie (p)
Freddie Green (g)
John Clayton (b)
Butch Miles (ds)

1979年7月12日 録音

 ベイシー楽団でもう1枚です。ベイシーがかなりの歳になった頃のライブ盤です

 このアルバムはベイシー楽団の中でもかなり迫力のある演奏だと思います。これがなぜ好きかというと、迫力の事もありますが、ベースのジョン・クレイトンが素晴らしいからです。この人は録音によってはレイ・ブラウンと間違えるぐらい似ています。ドラムはブッチ・マイルスで、この時代の迫力あるベイシーサウンドは彼がいるからこそ表現出来ています。もちろんベイシーサウンドの要であるフレディ・グリーンもいます。

 曲はアップテンポの「Wind Machine」から始まりますが、この演奏だけでも圧倒されます。ベイシー楽団の古くからのヒット曲「Splanky」を演奏しているのも良いです。



Carnival
Maynard Ferguson



1. M. F. Carnival
2. Fantasy
3. Battlestar Galactica
4. Stella by Starlight
5. Birdland
6. Baker Street
7. How Ya Doin' Baby?
8. Over the Rainbow

Maynard Ferguson (tp, flh)
Peter Erskine - Drums


1978年5月15日 録音

 夏の音楽、カーニバルです。

 とにかく夏です。カーニバルです。メイナード・ファーガソン、私は好きです。ハイノート・トランペッターでもこのぐらいやってくれれば実に気持ちが良いです。

 まず1曲目のカーニバルが素晴らしいです。他には4曲目のスタンダードのステラや、5曲目のバードランドも良いです。アレンジも素晴らしいです。



Live at Budokan
Quincy Jones



1. Introduction-Roots Mural Theme
2. I Ronside (Theme from Ironside NBC-TV)
3. Just Once
4. Razzamatazz
5. Manteca
6. Stuff Like That
7. Bluesette
8. Ai No Corrida

Quincy Jones (producer, conductor, keyboards)
Toots Thielemans (harm, g)
Peggy Lipton (vo)
Luis Johnson (b, vo)
Patti Austin (vo)
原信夫とシャープス&フラッツ


1981年7月9日 録音

 これは普通のジャズアルバムとは少し違うかもしれません。クインシー・ジョーンズの武道館でのライブ録音で、ジャズ以外の曲も入っていて、有名な「愛のコリーダ」も演奏しています。

 全体的にもちろん良いのですが、ジャズ屋として聴くべきは5曲目のマンテカです。トランペッターのディジー・ガレスピーの曲ですが、ハーモニカのトゥーツ・シールマンのソロが素晴らしいです。でもこの人は自分の事はギターリストだと思っているようですね。口笛とギターでユニゾンで演奏するスタイルで、アルバムも出しています。が、あなたはやはり世界一のハーモニカ奏者です。ギターなどやらなくても良いです。こんな凄いハーモニカソロを取れる人が他にいるでしょうか?



Ella in London
Ella Fitzgerald



1. Sweet Georgia Brown
2. They Can't Take That Away from Me
3. Ev'ry Time We Say Goodbye
4. The Man I Love
5. It Don't Mean a Thing
6. You've Got a Friend
7. Lemon Drop
8. The Very Thought of You
9. Happy Blues

Ella Fitzgerald (vo)
Tommy Flanagan (p)
Joe Pass (g)
Keter Betts (b)
Bobby Durham (ds)

1974年4月11日 録音

 エラは数多くのアルバムがあります。私はそれほど詳しくはありませんが、まあエラの場合はハズレというアルバムはないでしょう。

 これはロンドンでのライブ盤です。1曲目の「Sweet Georgia Brown」からノリまくっています。5曲目の「It Don't Mean a Thing」ではかなり遊んでいて、ピアノのトミー・フラナガンもエラと一緒に遊んでいます。エラが「ベイシー!」というとフラナガンがカウント・ベイシーっぽく弾き、「エリントン!」というとデューク・エリントンっぽく弾きます。フラナガンも色々な先人のコピーをしてきたんでしょうね。でないと出来ませんよ。7曲目の「Lemon Drop」はウディ・ハーマン楽団の十八番で、スキャットで作られた曲で、エラのスキャットが十分に楽しめます。

 これだけでもこのアルバムは十分楽しめるのですが、個人的に好きなのは6曲目の「You've Got a Friend」です。この曲は元々ジャズではなくキャロル・キングの曲です。ジャズ以外ではダニー・ハザウェイが有名でしょうね。ダニー・ハザウェイの歌も素晴らしいですが、私はこのエラのバージョンが一番好きです。

 実は私はアルバムを買う前にそれを知っていて、その1曲のためにこのアルバムを買ったのです。結果、他の曲もとても良かった、というわけです。



Live from Concord to London
Ernestine Anderson



1. Don't Get Around Much Anymore
2. Days of Wine and Roses
3. Stormy Monday
4. Am I Blue
5. Take the "A" Train
6. My Romance
7. Solitude
8. I Got It Bad (And That Ain't Good)
9. Do Nothin' Till You Hear from Me
10. Take the "A" Train
11. Love for Sale

Ernestine Anderson (vo)
Hank Jones (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)


1976年8月1日, 1977年10月11日 録音

 私は女性ヴォーカリストではアーネスティン・アンダーソンが一番好きです。アーネスティンはジャズというよりブルースのほうが近いかもしれません。実際そういったアルバムも沢山出しています。

 これは2つのライブを収めたアルバムです。どちらが良いかというと、前半のハンク・ジョーンズ・トリオがバックのほうです。ハンク・ジョーンズは何をやっても素晴らしいピアニストですね。1曲目のイントロで「おっ、良いライブが始まるぞ!」という感じがします。アーネスティンは前テーマを2コーラス歌っていますが、そのノリの良い事といったらありません。テクニックを披露しているわけでもなく、スキャットでもなく、メロディーフェイクをしている程度です。スイングの心地良さはこういうところにあると思います。レイ・ブラウンのベースもとても気持ち良いです。



I've Got a Crush on You
Frank Sinatra



1. A Lovely Way to Spend an Evening
2. Embraceable You
3. All the Things You Are
4. They Say It's Wonderful
5. How Deep Is the Ocean?
6. Time After Time
7. Always
8. But Beautiful
9. The Song Is You
10. Fools Rush In
11. I've Got a Crush on You
12. I'm Glad There Is You
13. Love Me
14. Why Try to Change Me Now?

Frank Sinatra - Vocals


1943年~1952年 録音

 フランク・シナトラは数多くのアルバムがあります。私はそれほど詳しくはありませんが、ハズレはありませんね。

 このシナトラ、画像を見てもらうと一目瞭然ですが、若いです。録音も古いです。このアルバムはストリングスがバックのものが多く、バラードが中心です。

 なぜシナトラの中でこのアルバムにしたかというと、1曲目のバラード「A Lovely Way to Spend an Evening」がオススメだからです。この曲は映画「Higher and Higher」の中で歌われたようですが、あまり有名な曲ではありません。その中ではアン・バートンが有名ですが、私はこのシナトラのほうをオススメします。アン・バートンのほうはメロディが原曲と少し違いますが、シナトラはほぼ原曲どおりです。この演奏はバックはストリングスではなくコーラスのみで、それがまた良い感じを出しています。バラード好きな人にはこのアルバムはオススメです。



At Newport '63
Joe Williams




1. Without a Song
2. Spoken Word Introduction by Joe Williams
3. Gravy Waltz [Studio Version]
4. She's Warm, She's Willing, She's Wonderful
5. Come Back, Baby
6. Medley: All God's Chillun Got Rhythm
7. Wayfaring Stranger
8. Every Day I Have the Blues
9. Anytime, Anyday, Anywhere
10. April in Paris
11. In the Evenin' (When the Sun Goes Down)
12. Some of This 'N' Some of That [Studio Version]
13. Roll 'Em Pete
14. Gravy Waltz
15. Medley: All God's Chillun Got Rhythm
16. Some of This 'N' Some of That

Joe Williams (vo)
Thad Jones (tp)
Ben Webster (ts)
Howard McGhee (tp)
Bob Cranshaw (b)
Clark Terry (tp, flh)
Junior Mance (p)
Mickey Roker (ds)
Zoot Sims (ts)

1963年7月5日 録音

 私は男性ヴォーカリストではジョー・ウィリアムスが一番好きです。

 これは1963年のニューポートでのライブ盤です。ジョーさん、とてもノッています。またバックのミュージシャンも「よくこのようなメンバーを集めたなあ」という感じです。このメンバーであれば何も問題ないでしょう。とても楽しいアルバムです。



The Very Best of the Manhatan Transfer
Manhattan Transfer



1. Boy from New York City
2. Trickle Trickle
3. Gloria
4. Operator
5. Tuxedo Junction
6. Four Brothers
7. Ray's Rockhouse
8. Soul Food to Go
9. Spice of Life
10. Baby Come Back to Me
11. Candy
12. A Nightingale Sang in Berkeley Square
13. Birdland
14. Java Jive
15. Route 66
16. Twilight Zone/Twilight Tone

Tim Hauser (vo)
Alan Paul (vo)
Janis Siegel (vo)
Cheryl Bentyne (vo)


 私が持っていたのはこれではなくレコードで、1980年に日本で発売された「Time Trip」というアルバムの視聴盤で、知人に頂きました。それもこれと同じくベスト盤のようなものです。こちらはCDのベスト盤ですが、曲は大部分が同じです。

 まあともにく世界最高のコーラスグループである事は間違いないでしょう。ジャズコーラスといえばやはりまずマントラです。このアルバムにはマントラで有名な曲は全て入っています。

 6曲目の「フォー・ブラザーズ」はウディ・ハーマン楽団の十八番ですが、マントラでも有名になりました。

 13曲目の「バードランド」はウェザー・リポートのオリジナルで、大ヒットしましたが、マントラのほうも有名です。私はプレイボーイ・ジャズ・フェスティバルのビデオを持っているのですが、この中でウェザーとマントラが共演していて、それも素晴らしい演奏です。



Jazz at the Opera House




[CD1]
1 Free Form/ Straight, No Chaser
 (Denny Zeitlin, Herbie Hancock)
2 The Village
 (Toshiko Akiyoshi)
3 Falling Petal
 (Toshiko Akiyoshi, Lew Tabakin)
4 Maiden Voyage
 (Bobby Hutcherson, Herbie Hancock)
5 Sister Cheryl
 (Wynton Marsalis, Wayne Shorter, Herbie Hancock, Charlie Haden, Tony Williams)

[CD2]
1 Dedication to Conrad Silvert
2 Hesitation
 (Wynton Marsalis, Wayne Shorter, Charlie Haden, Tony Williams)
3 Dedication to Conrad Silvert
4 Silence
 (Wynton Marsalis, Wayne Shorter, Charlie Haden, Tony Williams)
5 Footprints
 (Wynton Marsalis, Wayne Shorter, Herbie Hancock, Charlie Haden, Tony Williams, Jaco Pastorius, Bobby Hutcherson)
6 Round Midnight
 (Wayne Shorter, Herbie Hancock)

Wynton Marsalis (tp)
Wayne Shorter (ts)
Lew Tabakin (ts)
Bobby Hutcherson (vib)
Herbie Hancock (p)
Denny Zeitlin (p)
秋吉敏子 (p)
Charlie Haden (b)
Jaco Pastorius (eb)
Tony Williams (ds)

1982年2月 録音

 これはジャズ評論家のコンラッド・シルバートの夢の実現のコンサート模様です。評論家というのは大抵ミュージシャンからは嫌がられるものですが、コンラッドは珍しく慕われていたようです。若くして白血病のため入院してしまい、ハービー・ハンコックらが入院中の彼の夢を実現させたのです。その後コンラッドは34歳という若さで亡くなってしまいました。

 まず1曲目が素晴らしいです。これはハービー・ハンコックと精神科医でピアニストのデニー・ザイトリンとのピアノデュオです。フリーからアップテンポの「ストレイト・ノー・チェイサー」となだれ込みますが、大変素晴らしいです。ハービーはチック・コリアとのデュオもありますが、こちらのほうも聴き応え十分です。

 CD2の2曲目の「Hesitation」は超速です。3曲目の「Dedication to Conrad Silvert」はベースのチャーリー・ヘイデンのオリジナルで、タイトルどおり物悲しい曲です。

 6曲目の「ラウンド・ミッドナイト」は予定外だったそうで、このコンサート直前にピアノのセロニアス・モンクが亡くなったため追悼の意味で演奏されたようです。



Live
Donny Hathaway



1. What's Going On
2. The Ghetto
3. Hey Girl
4. You've Got a Friend
5. Little Ghetto Boy
6. We're Still Friends
7. Jealous Guy
8. Voices Inside

Donny Hathaway - Vocals


1972年 録音

 ソウル音楽です。私はソウルファンというわけではありませんが、ダニー・ハザウェイは素晴らしいと思います。

 これはライブ録音です。1曲目はソウルでは有名なマービン・ゲイの曲です。ダニーは途中フェンダー・ローズでソロを取っています。4曲目はキャロル・キングの曲ですが、こちらのほうが有名ではないでしょうか。素晴らしいです。

 ダニーはホテルから飛び降り自殺し、わずか34年という若さで亡くなりました。伝説のソウルミュージシャンです。



Hallelujah, I Love Her So
Ray Charles



1. Ain't That Love
2. Drown in My Own Tears
3. Come Back Baby
4. Seinner's Prayer
5. Funny (But I Still Love You)
6. Losing Hand
7. A Fool for You
8. Hallelujah, I Love Her So
9. Mess Around
10. This Little Girl of Mine
11. Mary Ann
12. Greenbacks
13. Don't You Know
14. I Got a Woman

Ray Charles (p, vo)


1951年~1961年 録音

 レイ・チャールズ、良いですねぇ。黒人音楽です。ソウルフルなヴォーカルは最高です。

 でも私はソウルファンというほどではないですし、レイ・チャールズ・コレクターでもありませんので、ベスト盤で良いのです。といってもヒット曲が多いので困ったものです。

 これは1950年代の曲集のようなアルバムです。8曲目の「ハレルヤ・アイ・ラブ・ハー・ソー」が好きなので出しました。

 レイ・チャールズの他のアルバムで特に好きなのは、レオン・ラッセルの「ア・ソング・フォー・ユー」です。



Original Musiquarium I
Stevie Wonder



1. Superstition
2. You Haven't Done Nothin'
3. Living for the City
4. Front Line
5. Superwoman
6. Send One Your Love
7. You Are the Sunshine of My Life
8. Ribbon in the Sky

9. Higher Ground
10. Sir Duke
11. Master Blaster (Jammin')
12. Boogie on Reggae Woman
13. That Girl
14. I Wish
15. Isn't She Lovely
16. Do I Do

Stevie Wonder (vo, syn, harm, etc)


 スティービー・ワンダーもレイ・チャールズと同じで、黒人音楽です。ソウルフルです。

 私が持っているのは、このアルバムの後半だけ入ったものです。買った時はなぜか2枚に分かれて販売されていました。後から2枚組というのを知りました。

 このアルバムは。1970年代以降の曲をスティービー自身の選曲で収録したもののようです。という事でスティービーのヒット曲ばかりです。最後の「ドゥー・アイ・ドゥー」ではディジー・ガレスピーのトランペットソロも入っています。



The Historic Mocambo Session '54
守安 祥太郎



[CD1]
1 I Want to Be Happy
2 Out of Nowhere
3 This Love of Mine
4 On a Slow Boat to China
5 Strike up the Band

[CD2]
1 Tenderly
2 Everything Happens to Me
3 Steeple Chase
4 My Funny Valentine
5 Perdido
6 It's only a Paper Moon

守安 祥太郎 (p)
Hampton Hawes (p)
宮沢 昭 (ts)
五十嵐 明要 (as)
渡辺 明 (as)
海老原 啓一郎 (as)
渡辺 貞夫 (as)
鈴木 寿夫 (b)
滝本 達郎 (b)
秋吉 敏子 (b)
清水 潤 (ds)
五十嵐 武要 (ds)

1954年7月 録音

 日本人のアルバムで何か1枚、となれば私は間違いなくこれです。古い録音ですが、この頃の日本人のジャズ演奏も大変素晴らしいです。しかしよくこんな演奏が残っていたものです。ナベサダも入っていますが、まだ無名の頃です。

 守安さんや宮沢さんは本場のミュージシャンといっても良いぐらいでしょう。なぜかおまけでピアノの秋吉さんが遊びでベースを弾いている演奏まで入っています。守安さんはこの翌年、電車に飛び込んで自殺してしまいました。長生きしていたらその後どれだけ日本のミュージシャンに影響を与えたでしょうね。



Blow Up
鈴木 勲



1.Aqua Marine
2.Everything Happens To Me
3.Blow Up
4.Like It Is
5.I Can't Get Started
6.Low Flight

鈴木 勲 (b, cello)
菅野 邦彦 (p)
ジョージ 大塚 (ds)
水橋 孝 (b)

1973年3月29日~30日 録音

 ベースのオマさんがリーダーのアルバムです。大学1年の頃にジャズ喫茶でよくかかっていました。当時はこの中の「Everything Happens To Me」が一番好きでした。普通バラードで演奏されますが、ここではミディアムのスイングで演奏していて、スガチンさんのピアノが実に心地良いです。4曲目のエロール・ガーナー作曲の「Like It Is」はこのアルバムで知りました。

 しかし時が経つと変わるものです。1曲めのオマさんのオリジナル「アクア・マリン」ですが、当時はあまり好きではありませんでした。とても重々しいスローな曲で、スガチンさんはフェンダーローズを弾き、ゴンさんがベース、オマさんはチェロでとても重たいソロを取っていて、かなり怪しげな演奏です。ですが、ドラムのジョージ大塚さんのセンスが素晴らしいのです。でもこういうのはジャズを聴き始めの頃はわからないものです。しかしわかってくるとハマるんですよねぇ。ホントに素晴らしい。やはり音楽はテクニックの披露ではありません。センスです。

 他の曲も悪くはありませんが、今や私にとってはこのアルバムはこの1曲のためにあるといっても良いぐらいです。



Hush-a-bye
森山 威男



1.Sunrise
2.Hush-a-bye
3.North Wind
4.Lover Man
5.Snow Tiger

森山 威男 (ds)
向井 滋春 (tb)
小田切 一己 (ts, ss)
板橋 文夫 (p)
望月 英明 (b)

1978年2月 録音

 ドラムの森山さんのレギュラーカルテットにトロンボーンの向井さんがゲストで参加したアルバムでしょうかね。私が大好きな板さんが入っているという事で出しました。私が板さんの演奏を初めて聴いたのがこれです。

 1曲目は板さんのオリジナルで、マイルスの「So What」のコード進行を少し変えたような曲です。板さんのソロは……はぁ~、ピアノは大丈夫だったのでしょうか(^^)。いや~、そこまでやりますかね?しかも真剣なんですよねぇ。伝わってきます。私はこれに感動したんですよねぇ。ちなみにですが、板さんはフリージャズのピアニストではありませんよ。

 2曲目は「おやすみなさい」の「ハッシャバイ」です。演奏はそういう感じではありませんが。板さん、素晴らしいです。テナーの小田切さん、私はよく知らないが、この曲は素晴らしいと思います。この録音の後、若くして肺炎で亡くなってしまったんですよね。

 森山さんは本当に素晴らしいドラマーです。敢えて本場のスタイルでいうとエルビン・ジョーンズが一番近いでしょうか。私は生で何回も観ましたが、とにかく凄いです。芸大出身ですし。森山さんのライブは、一度は生で観るべきです。



渡良瀬
板橋文夫



1 Someday My Prince will Come
2 Msunduza
3 I Can't Get Started
4 Tone (利根)
5 Watarase (渡良瀬)
6 Miss Cann
7 Goodbye

板橋文夫 (p)

1981年 録音

 私が大好きな板さんのアルバムの中で1枚となれば、やはりこれでしょうね。板さんのリーダー作の3枚目のようです。という事でもう古い演奏になってしまいました。でも板さんの基本はこれでしょう。

 これは全編ピアノソロです。色々と曲が入ってますが、やはりベストは渡良瀬です。日本人でなければこういう曲は出来ませんし、演奏も出来ません。だから良いのです。

 7曲目の「グッドバイ」はスタンダードのほうではなく板さんのオリジナルです。何だか悲しい「さようなら……」という感じです。素晴らしい曲です。



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