潰瘍性大腸炎とは


 以下にこの病気について簡単に説明します。

1. 潰瘍性大腸炎とは

 潰瘍性大腸炎は、大腸にびらん(ただれ)や潰瘍ができる原因不明の病気です。英語ではUlcerative Colitis(UC)と呼ばれます。

 この病気は症状が良くなったり(緩解)、悪くなったり(再燃)を繰り返す慢性の病気です。また大腸全体に炎症がある場合は大腸癌の発生率が高いといわれています。「原因不明・日本人には少ない・確実な治療法が確立されていない」ため、厚生労働省より特定疾患治療研究対象疾患、いわゆる難病に指定されています。

 この病気は症状が良くなったり(緩解)、悪くなったり(再燃)を繰り返すのが特徴で、二度と症状が出なくなるほうが珍しいのです。たぶん一生、またはある年齢まではこの病気と付き合っていくしかないでしょう。このような考え方のほうがこの病気の場合はいいんじゃないでしょうか。

2. 症状

 下痢、ゼリー状の粘液便、血便、腹痛、しぶり腹(便が出そうで出ない)などがあります。 ひどくなると1日数十回の排便、微熱、貧血、食欲不振、体重減少、脱水症状などが現れることがあります。

3. 原因

 大腸の免疫機能に異常が生じ正常な細胞まで攻撃し炎症が起きてしまう自己免疫異常説が有力です。ストレスや欧米的な食生活にも関係があるといわれますが、詳しくはわかっていません。

4. 診断

 症状や経過などからある程度の診断は可能です。確定するにはX線検査(注腸造影検査)や内視鏡検査(大腸内視鏡検査)でおこなわれ、腸管の病変を切り取り、確認することで診断されます。

5. 食事制限

 繊維が少なく消化のよいタンパク質やビタミンを豊富に含んだ食事をとるようにしましょう。 油っこい物、乳製品、刺激物、香辛料、炭酸、お酒などは控える方がいいでしょう。